海辺より。

日々の事を色々と綴ります

サヴァイヴ

近藤史恵さんのロードレースシリーズ第3作目のサヴァイヴも読了。いやー、面白いです。何度も言いますがさくさく読めます。サヴァイヴ読み終える前はサクリファイスが一番!だったんですがこちらも捨てがたい。比べるまでもないのかもしれません。サヴァイヴは主人チカ視点だけではなく、他登場人物の視点からのストーリーがメイン?といえる言わば番外編になるのでしょうか。一番印象に残ったのはやはり赤城と石尾のストーリー。チカがチーム・オッジに入る前の過去の話。これがまた良い。1作目から読んでいるだけに色々と感慨深い。ロードレースの奥深さ。チームのエースを最大限にサポートしていくアシストとの関係。アタックし、先頭にたつ事の重圧。まさに心理戦。登場人物の性格も様々で人間模様が面白い。

ストーリーはネタバレを避けるためにあまり言いませんが少し視点を変えて…食事のお話を。ロードレーサーはとにかく1日に何百キロも走る為にエネルギーを要する。レース前はお腹が減っていなくてもとにかく食べるのだ。大量のパルジャミーノパスタや甘いジャムを塗ったパンを朝っぱらから胃の中に入れる。外国人選手に比べれば日本人は食が細いのでどうしても量が食べられない。だけど食べなければレース中に力を発揮出来ない。それだけには留まらずレース中にもサコッシュと呼ばれる袋にエナジーバーやサンドウィッチ、羊羹、スポーツドリンクが入ったものを受け取る。そして必要なものを口の中に入れ後は外野へ投げる。ハンガーノック低血糖状態になり体が動かなくなる)を避ける為に。面白い事にある人物は通常のスポーツドリンクは飲まない。塩と砂糖をたっぷり入れた紅茶を好んで飲む。(どんな味になるんだろう…)雨が急に降ってきた際はウインドブレーカーを渡される。それも自転車を止めて着るのではなく走りながら器用に着る。(ウインドブレーカーを着ないと体が冷えてしまい走れなくなる)…もう凄い、としか言いようがない。ロードレースルールはもちろん知らなかったけれどこういった部分も知って率直に「大変だ」と思ってしまった。雨天だろうと走る。更に危険度は増す。それでも走り続ける彼らを一度画面越しではなく実際の目で見たら言うまでもなく圧倒されると思いました。日本ではあまり注目度が海外に比べて少なめなようなのでテレビや新聞にも大々的には取りあげられないようなんですが…。

第4作目のキアズマを読んでいくのも非常に楽しみです!


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